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可愛いヒモの育て方。
第2章 ポスティング、参戦!

「えー、俺留守番してる。ここで」
「じゃあ帰れや!」

 番犬のように居座られても困る。
 渋る麻人は勝手に参加ということにして、私はいったん店長に連絡を入れた。

「あ、もしもしお疲れ様です。橋口さんと君島くんが来れるそうですよ。橋口さんは足がないと思うので、私が家まで迎えにいきますね。君島くんは……」

 私は隣に座る麻人をちらりと一瞥した。
 こいつの車は私が住むアパートの駐車場。使ってないところを無断で借りて停めてある。自分の車もあるけれど、ついでだ。

「彼も迎えに行きますね」
「おう、了解。マネージャーと先始めてるから、着いたら連絡して」
「はーい」

 通話を切る。

「俺留守番っつったのに」
「却下!」

 私は服とタオルをひっつかみ、慌てて浴室に向かった。さすがに、精液まみれで仕事なんて嫌だ。

「シャワーだけ浴びてくるから、準備しといてね」
「準備って、何かあります?」
「うーん、とりあえず髪乾かしとけ」
「はーい」

 時間がない。私は猛ダッシュでシャワーを浴びた。
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