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可愛いヒモの育て方。
第18章 告白

だったら遠慮することはない。だいたい私だって、急に就活を始めて出られなくなった麻人の代わりに何度か出勤しているし。
「じゃあ、お願いしまーす! 明日ってかもう今日だけど、一時からラストで、よろしく!」
「時間長っ」
「誰かさんが休むから、社員もバイトもフル稼働だよ」
「うーん、申し訳ない」
麻人は変わらず、悪びれない様子で笑っている。申し訳ないなんて、思ってないくせに。
「……もうここにも来ないかと思った」
ふいに口をついて出た言葉は、紛れもない本心だった。ずっと会えないような気がしていた。
「追い出したの友梨香さんなのに。……来ないなんて、行ってないじゃないですか。頻繁には来れなくなるって言ったけど」
「……だって」
そこで言葉をつぐむ。
「寂しかった?」
そう聞いてきた麻人の声は、真面目な響きを持っていた。
そんなふうに聞かれたことなんてなく、私は言葉に詰まってしまう。手を握られているせいで、麻人に背を向けることもできない。
「別に」
「ですよねー」
麻人はくすくすと笑っていた。

