この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
可愛いヒモの育て方。
第18章 告白

「イェーイ、アッパー!」
「……いやそれアッパーじゃないし。どう見ても絞め技でしょ。アッパーはパンチ」
なんとも冷静な突っ込みが返ってきた。
「細かい」
「細かくないって」
麻人の体が私の上に覆い被さってくる。絞め技まで仕返しされるのかと思い身構えたが、麻人は私に何もしてこようとはしなかった。
「ーーごめんね」
一言だけ。麻人が発したのはその一言だけだったけど、他のどの言葉よりも私の胸を打った。
何より優しく響いた。
もう一度麻人の首に腕をまわす。そのまま麻人を自分の方へと引き寄せた。今まで私に覆い被さるような体勢ではあったものの、麻人自身の両手両膝で体を支えていた麻人は、私が強く引き寄せたことにより、私の上にのしかかってくることになる。その体勢のまま、麻人をぎゅっと抱きしめた。
「重くないんすか?」
「……へーき」
麻人が苦笑する。重さも温かさも心地よかった。麻人の匂いがする。
このままずっと腕の中に閉じ込めておきたい。そんなことを無意識に思ってしまう。そういう依存癖は、やっぱり治らないみたいだ。

