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裸の女神
第5章 肉欲の薔薇
瞳は人生勉強を兼ねて、
キャバクラで働いてみる事にした。

夜の世界は、
瞳のような真面目な女性から見たら、
刺激の多い世界だった。

煌びやかに感じるが、
怪しい雰囲気も漂う店内。

ドレスなどを身に纏い、
化粧をして自分をフロアーで輝かせる。
キャバ嬢は、気に入られてこそだ。
ルックスでもいい、
話し上手でもいい、
色気でもいい、
人気を獲得する為に、
あらゆる努力をする。

例え、
努力しなくても、
今迄のバイトの時給よりはいい。

「気に入られて、
指名されたら、
バックマネーもあるわ。
いかに自分を売るか?よ。
利用してやるくらいが丁度いいの。
逆に利用されたら、
負けよ」

珠紀は笑う。

瞳は赤いドレスを選び、
赤いルージュを唇に重ねて、
グロスで艶を出し、
髪はアップにまとめた。
細く高い黒のヒールを履き、
背筋を伸ばしてフロアーに行く。

「うん。
なかなかいいね。
綺麗だよ。
瞳ちゃん。
名前は瞳ちゃんのままでいいの?」
店長に聞かれる。

「どうする?
瞳?」
珠紀も間に入ってくれた。

「うーん?
どうなのかな?」

「珠紀は、
ジュリと名乗っるよ」
店長は言う。

「だって、
お客様に、本名で馴れ馴れしく呼ばれたくないんだもん。
いい事ばっかりじゃないし」

「そうだよね。
どうしょう?」
瞳は戸惑う。

「アゲハちゃんはどう?」
店長は言う。

「どうしてアゲハ?」
珠紀が店長に聞く。

「アゲハ蝶の様に
羽ばたいて欲しいから。
色白だし、赤いドレスも似合うし、
人気が出そうな予感がするから、
期待を込めてアゲハ」

「いいんじゃないの?」
と珠紀が言う。

私は今日から、別名はアゲハとなる。

蛹から蝶になれ‥‥‥‥

アゲハ蝶の様に妖艶さを醸し出しながら、
綺麗に舞う。

アゲハ蝶。
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