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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
 五十を過ぎようかという茂平の眼には涙が浮かんでおり、他の者たちも皆、痛ましげに変わり果てたお千香を見守った。
 お千香の傍に終始付き添うのは、むろん乳母のおみつである。おみつは泣きながら、お千香の髪を撫でた。
「お労しい、何故、こんなことに」
 すべては一年前の夜、おみつが留守をした隙に起こったのだ。もし自分があの夜もお千香の傍について眠っていてやれば、お千香が定市に手込めにされることもなったはずだ。
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