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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
「煩いッ」
 定市が着物の裾を掴むおみつを脚で蹴り上げた。
「あっ」
 おみつが悲鳴を上げて転がる。その拍子に頭を打ち付けたらしく、動かなくなった。
「おみつ、おみつ?」
 お千香が泣きながら乳母の名を呼んだ。
「人殺しッ、放して、おみつが、おみつが」
 お千香は懸命におみつに手をさしのべた。
「そんなことはどうでも良い。お前は私と一緒に来るんだ」
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