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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
その夜半、寄合に出た定市は、深川の料亭を後にしようとしていた。供についてきたのは、手代の平助、かつて丁稚として大番頭の茂平には算術算盤、読み書き、商人としてのいろはを叩き込まれた仲間でもある。
平助が提灯で足許を照らし、その後ろを定市が歩く。定市の両腕には後生大切に抱えている品々があった。平助に持たせようともせず自ら抱えて歩くとは、よほど大切なものに相違ない。
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