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夢のうた~花のように風のように生きて~
第5章 《花塵》
―おみつ、おみつ。
 また呼ばれたような気がして、おみつは淡く微笑んだ。
「お嬢さま、お嬢さまのことは、このみつ、終生忘れません。お嬢さまとご一緒に過ごしたこの十七年間は、みつにとっても得難い至福のときにございましたよ」
 心の中のお千香にそっと呼びかける。
 おみつは明日、美濃屋を去ることになっている。お千香の四十九日の法要も一昨日、滞りなく済ませた今、おみつがここに残る理由は何もない。
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