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喘ぐなら、彼の腕の中で
第2章 私が2番目なの?


「半分は合ってるけど、半分は違ぇな」
「え~?どの部分?」


マスターに別れを告げて、莉央と一緒に店の外に出る。
酔った体に、夜の風が気持ちいい。


「ヤリたいのには理由があるんだよ」
「……はぁ? 単に性欲の問題でしょ」
「俺の場合はそれだけじゃない」


その話、聞かなきゃだめかな?

莉央が色んな女と寝る理由なんて
興味のない私にとっては、迷惑以外の何物でもないんですけど。

駅に向かって歩くスピードを速めると



「沙月」



後ろから莉央に呼ばれる。


「明日、スカート履いて出勤しろよ」

「……え?」

「替えの下着も持ってきた方がいいぜ」

「……」


………頭イカレてるの?

意味が分からず、薄笑いを浮かべる莉央を無視して足を進めた。




だけど


20年間続いた、莉央と私の幼なじみという清い関係


それが今日で最後だったってこと


この時点ではまだ、知る由も無かった。





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