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喘ぐなら、彼の腕の中で
第14章 爆発


「俺、今亜美と喧嘩中なんだ」

「……はぁ。それで?」

「だから、今がチャンスだよ。
こんな機会はもう無いと思うけど」


あ~~~イライラする。
本気でやり直す気があるなら、せめて別れてから言いなさいよ。

チャンス?
いらないっつーの。
どうでもいいからそこをどいてくれないかな。

資料室の扉の前に立ちはだかる芹澤さんに向かって、私は大きく溜息をついた。


「……ですから、私はもう芹澤さんとは付き合いません。
新しい恋に進むんです」


とは言いつつ、本当は全然そんな気力無いけどね。

お陰さまで、芹澤さんのことはキレイさっぱり忘れたけど
もう1人の毒がまだ根強く残ってるし、リハビリして取り除く意思すら無い。


今まで、失恋は何回もしてきたけど
断られた後に、これほど気持ちが膨れ上がることなんてなかった。


幼なじみに戻ろうと言われても
彼の心に傷をつけたのが自分だったと知らされても

諦められずに、逆にもっと莉央を好きになっているなんて


………依存症レベルだ。


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