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吼える月
第35章 希求
 

「うわわっ、赤い光の抵抗が厳しい。どうすれば……っ。そうだユエ、笛」

「ユエの笛は、骸骨は効果ないよ。生きていると思っている餓鬼止まり。あの子が、来てくれてたら……。あの子の担当は『死』だから」

「なにそれ、そんな担当なんてあるの?」

「うん」

「じゃあどうすれば……」

「この扉がなにをもって敵と思っているのかね?」

「え?」

「飛ばないと攻撃しないということは、見ているのかな」

「見る……え!? だったら……っ」

 青龍の力を使うには、海に輪郭を満たせて形にしなければならない。

 それはテオンが創り出した幻影のように。


「だったら僕が、幻影で扉を騙してみる!」


 どうすれば、力を使役出来る?

 ……サクならなにがあってもやり遂げる気がする。

 サクが出来て、自分が出来ない理由はなんだ。

 同じ武神将を父親として生まれて、力を扱えない圧倒的な差違が出るのはなぜ?

 シバは悔しかった。
 必要とされているのに、自分では出来ないことが。

 特殊な扉のせいにするのではなく、シバは己の未熟さのせいとしか思えなくなった。

「凄い凄いテオンちゃん! 扉の赤い光、お骨を壊してる」

 ぴぇぇぇぇぇ!!

 ばへぇぇぇぇ!!

「役にたったぁ、この力! というか、目でもついてるのかな、あの扉」

 どうしてあの時は、出来た?
 あの時の状況はなんだ?


 あの時は、敵に攻められ絶体絶命だった。
 子供達を守らないといけない、とただそれだけで。

 だったら今、守るものはあるのになぜ出来ない?
 なぜオレの身体は、危機だと感じない?


 シバは怒りに満ちた目をカッと見開くと、突き刺した青龍刀を持ち上げ、


「「シバ!?」」


 彼自身の脇腹に突き刺した。
 
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