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第37章 鏡呪

　
「意味がわからないのは、多分まだ変換が必要なんだと思う。そこでじゃーん！　僕達がやっていた変換表の写し！　これに沿っていけば……、あ、お兄さん達がもう変換しちゃっているのもあるから、意味が通りそうなものだけ変換するよ」

　"我は未来を我が地(血？)で「かがみ」に封じ　「ひりよう」と民をき「よ」にかくて　嘆願破られ「し」は別にかけ「し」我がきの呪いを発動させたり"

「うーん、完全ではないけれど。少しはましになったかな」

「これって変換表作って解いていくものだったのね。テオン、凄いわ」

「いや、お姉さん。逆に作らないで解けるお姉さん達の方が凄いって」

「あらそう？　だけど……〝きよにかくて〟、ってなにかしら」

「きよ、か、きょ、ですね」

「きょ……ちょっと待って。僕達が解いたのも、そんなものがあったような」

　"我が眠りを妨げる者　鏡の呪いで火の鳥となす"

　"我の怒り実を虚に変え、汝の鏡の中に閉じ込める　何人たりとも鏡を進むのは許さじ"

「だったら、虚にかくて……虚に隠し？」

　ユウナが首を傾げると、テオンが言った。

「そっか、変換しすぎているのか。変換表で逆を辿ればいいんだ。「て」になる前は……「す」。だとすれば〝虚に隠す〟だね」

「だったら〝我がきの呪いを発動させたり〟も、「き」ではなくて……」

「うん、お姉さん。この場合は「ち」……〝血の呪いだ〟」

「だとすれば、棺に書かれていたのは……」

　サクが言う。

　"偉大なる朱雀よ我が命で嘆願す　緋陵より汝の力を鏡で取り払い　悪しき光に悟られんことを"

　"我は未来を我が血で鏡に封じ　緋陵と民を虚に隠す　嘆願破られしは別にかけし我が血の呪いを発動させたり"

　"我が眠りを妨げる者　鏡の呪いで火の鳥となす"

　"我の怒り実を虚に変え、汝の鏡の中に閉じ込める　何人たりとも鏡を進むのは許さじ"