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吼える月
第4章 回想 ~崩壊~
 ユウナの護衛の任務は変わらぬものの、武神将である父の指揮のもと、サクは16歳になった時から本格的な武官としての活動をも始めた。

 その腕はまだハンには至らぬが、現役武官よりはよほど強く、その活躍ぶりに羨望の眼差しを一身に浴びてはいるが、ハン同様にそれを気にせずマイペースを貫き、実に飄々としている。


「あら失礼。サクの耳は動物並みにいいものね。だったらもう一回」


 再び窓を引っ掻けば、耳を押さえるサクの目が潤む。


「ひーめーさーまーっ!! なんで俺が、姫様に八つ当たりされなきゃいけねぇんですか!! だったらってなんですか、俺なにかしましたか!?」

「あら、別にあたしは、あたしはここで閉じ込められているのに、サクは上官命令という名目や、帰宅という名目で屋敷の外に自由に出られて恨めしいとか、昔はあたしの後をちょこちょこついてきて可愛かったのに、いまじゃあたしを見下ろすその身長が気にくわないとか、親子ともどもふてぶてしい態度で口が悪いのに人気者なのが解せないとか、思ったりしていないわ」


「……つまり、全部それら思ってるということですか?」

「思ってないって言ってるでしょ!?」


 またユウナが爪をたてて、窓を引っ掻く。


「ひめさまーっ!!」


 そんな時、くすくすと控えめな笑い声がした。



「リュカっ!!」



 ユウナはそれまでの鬱屈した表情をいっぺんさせて、後ろで微笑みながら立っているリュカに無防備に抱きついた。


 横目でその場面を追うサクの顔が、ひどく翳ったのを知らずに。


「会議、終わったの!?」

「ああ、たった今ね」


 サクと同じ18歳になったリュカは、声変わりしたために昔よりも声調は低くはなったものの、まるで睦言でも囁いているような甘い声音を出すのは相変わらずだった。

 
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