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吼える月
第14章 切望
 

"なぁイタ公。俺から邪痕を消すには、親父の力とリュカに流れた力すべて手に入れること前提で、力を戻したイタ公が一度融合を解除して、俺と先に契約していた魔……お前の言葉では"彼の者"だったか、そいつだけを滅ぼすか、俺が完全に穢れて魔として生きるしか道はねぇ、そうだったよな"


『然り。ただ消し去ることは出来ずとも、ハンの力が戻れば、まずなんとか数ヶ月は生きながらえることができよう。あとは小僧の気の遠くなるような鍛錬次第で、我の力を強大かつ増大すればするほどに、小僧の命も長らえられる。我の力が、彼の者の契約効果を抑えるよって。

だが、逆に……今の我がその大方の力を使って屈服させて融合させた"彼の者"も今の小僧を支えている今、ハンにその力を返すことで、小僧の基軸となる我の力がなくなり、我が消えれば……小僧の命、彼の者との契約のままの日数に失われる。元の木阿弥だぞ、小僧』


 サクにとって、契約という呪詛に対する鎮呪とは、魔道に堕ちる期日を伸ばすこと。

 そして契約を白紙に戻す解呪とは、新生玄武の力を強めて先住者を消すことか、魔道に堕ちて契約を履行させてしまうこと。


 新生玄武の力を強めて仲良くしていかない限り、サクは刻々と非業な死に近づいていくことになる。


 先住者との契約の終焉が秒読みに入ってきた現在、サクの命を支えているのは、ひとえに新生玄武……この白イタチの働きだった。

 先住者を無理に抑えて融合で力を増しても、その力のほとんどはサクの守護、さらにはユウナへと生気となって、力の放流は止らず。

 もし先住者が暴走したら、そちらに割ける力はない。

 サクが契約した相手は、神獣並の力を持つ厄介な存在だった。


"結局親父が生きて力を移譲してくれねぇ限り、俺の命はないも同然。いや、そんなことより俺が、親父が死なせたくねぇ。俺を助けてくれた親父を、今度は俺が助けなきゃ。

イタ公との仲が終ったら、別の方法を模索する。たとえば、駄目もとで他の聖獣に力借りるとか"


『最短の青龍がいる蒼陵まで、船で何日かかる? 小僧の命尽きるぞ?』


"前みてぇに、死ぬのは仕方がねぇからと最初から諦めたくはねぇんだよ。俺は……生きる。どんなことをしても、生き抜いてやる。

呪詛をかけられた姫様をひとりにするわけにはいかねぇんだよ。姫様を治療するのは俺だけだ"

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