パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第15章 手紙

　
　


「ちょ、サ……」


「だからそれまで、俺は自分の心は姫様にぶつけません。いつも通りでいます。だけど治療と若干の意地悪は許して下さい」


「ち、治療……じゃ……若干……？」


「ええ。姫様の呪詛が解呪出来るまで、治療はこの先も必須です。姫様の発作がいつ起きるかそれは予測不可能。もしも発作が起きたら、俺はこの心身をもって姫様の呪詛と戦わねばなりません。真剣勝負です。

これは姫様の命に関わることですから、姫様に理性が残っていようがいまいが、恥ずかしがらずに治療はしっかりと受けて下さい。つーより、治療は強行的に施します!!　ここは俺の感情がどうであれ、姫様の感情がどうであれ、断行します。いいですね!?」

「え……」

「俺が嫌なら、別の神獣の力を扱える三武神将に頼むか、後は姫様が狂い死にするだけです。またあの苦しくて辛い身体の状況になりたいですか!?」

「い、いいえ……どちらも結構です」

「だったら、相手は俺でいいですね!?」

「え……」

「俺じゃ不服なんですか!?」

　僅かに慌て、裏返ったサクの声。


「他の男がいいんですか!?」


　質問しているくせに、そうだと肯定したら許しはしないと、くわっと目を見開いて威嚇してくる。


「いや、いやいや。サク以外は絶対いや」


　その返答に、緩みそうになる顔をぐっと堪えて険しいままの顔を固定させ、わざとらしい咳払いをするサク。