この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第16章 船上 ~第2部 青龍の章~ 
 

 心底、ユウナに仕えたいと思った。

 心底、ユウナが好きだと思った。


 心底、ユウナと生きたいと思ったあの時――。



 本当なら今頃、親友の妻になっていた。

 本当なら今頃、姫はリュカに抱かれていた。


 リュカの名を呼び、リュカにあの顔を見せ、リュカに可愛い啼き声を聞かせ。そしてリュカだけしか、ユウナの身体を知るものはいなかった。


 ユウナの身体をどう触れば、全身を蕩けさせるのか。

 ユウナの身体をどう攻めれば、艶めいた女の顔で果てに向かうのか。


 ……どれだけ、ユウナのナカは熱く蠢きながら包み込み、至悦の享楽をもたらすのか。

 どれだけ狂おしいほどの愛をかきたてるのか。
 

 一生、サクは知ることがないと思っていた。

 僥倖だということはよくわかっている。

 ……そこには、愛がないことも。


 あるのは、自分からの一方的なものだけだ。

 ユウナが身体を繋げたのは、正気ではなかったからだ。自分が手を出したのは、命がかかっていたからだ。


 そうでなければ、見つめていただけに終わっていた……最愛の高嶺の花。


 愛が欲しい。

 ユウナから愛されたい。


 果ての先で名前を呼ばれたい。

 ユウナが欲しい愛が、リュカではなく……自分になって欲しい。


 たとえユウナがリュカとのことを、罪悪感で固めて失恋の痛手から逃れようとしていても、それでユウナが納得していても、心の内ではリュカを求めている。

 どんなにリュカに虐げられても、なおもユウナはリュカを忘れられない。


 それは幼なじみとしての友情だけではない……だから、その名を呼んだのではないか。


――なぁ姫様、あんなに離れたくないって言ってくれたじゃないか。……呼んでくれよ。姫様が……ずっと一緒にいたい男の名を。


 果てに行き着く手前。


 サクが与える快楽に身を任せた、ユウナの本能が叫んだのは――。


――呼べよ、姫様。姫様を……愛おしく抱いている男の名前を――っ!!


 あれだけの快楽を共にしながら、呼んだ男の名前は――。



 "リュカ"

/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ