この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第16章 船上 ~第2部 青龍の章~ 
 

 膠着状態ではいたくない。

 このままではいたくない。


 この想いが止らない。


 父の想いが、母の想いが……自分の想いの糧になった。


 男として、必要とされたい。

 愛する男女として、心まで繋げたい。

 離れられないという確証が欲しい。


 サクは両親を思い出す。


 愛し愛され、どこまでも幸せそうだった夫婦。

 息子として時にうざくなり、時に恥ずかしくて他人のふりをしていたこともあったけれど、それでも周囲の目線よりも互いの愛を尊重していた夫婦。

 やはり……彼らのような愛し合い方をしたい――。


 告白することで、逆に今まで我慢してこれた欲が増大してしまった。

 実際口にした愛の言葉が、言霊のように熱を持つのだ。


 改めて思う。

 自分はユウナを愛しているのだと。

 ユウナ以外はどうしても考えられないと。


 ユウナに求められる男になるために――

 未熟な自分を鍛えたい。


 ユウナの目に映るどんな男より、輝いていたい。

 自分ことだけを考えさせたい。


 彼女を傍で護るのは自分だけだという……正当な理由が欲しい。

 特別の意味を、もっと特別にするために――。



 そのためにも、対外的にも確固たる絆が欲しかった。

 今まで培ってきた絆を超える、自分だけしかもてないユウナとの絆が。


 ……ユウナの言う"特別"に、自分が欲しい「愛」をまだ望めぬのなら。


 武神将として、神獣玄武の力によって結ばれる……神に祝福された誰よりも強い繋がりを持ちたい。

 今までの主従関係を超え、リュカとユウナの絆すらを超える、強固たる絆を。


 "忠誠の儀"をしたい――。


 自分の誠なる心を、ユウナだけに捧げるために。

 それを、ユウナに認めて貰うために。


 ユウナと一心同体になるために――。
 
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ