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吼える月
第17章 船上2
 

「すげぇ……気持ち…いい……っ」

 
 サクが感じているとろりとした表情に、たまらなくなってくる。


「あぁ……姫様にこんなこと……幸せだ」


 "幸せ"


 なにかの衝動が、ユウナの身体の中を熱い奔流として走り抜ける。

 サクの太腿に触れる秘部が、ますます熱をもって疼き出す。

 ……喉の奥が、熱くひりつく――。


 そしてサクは、まだ衰えない己自身をそのままにして、満ち足りた顔でユウナの手を離させ、その手の指を自分の手の指に絡ませる。


「……俺はこれだけで大丈夫。この後は……姫様が気持ちよくなって下さい」


 繋がった手を持ち上げ、ユウナの手の甲に口づけるサク。


「触れてくれて、ありがとう……。姫様」


 感謝と愛を込めて――。


 ユウナは……無性に泣きたい心地になり、隠すようにサクに抱きついた。

 そんなユウナを抱きしめ返し、露わになった項に、サクは熱い唇を寄せた。


「んん……っ」


 思わず甘い声を漏らしたユウナに、サクが舌を這わせて、そして囁いた。
 

「……俺は……短い髪の姫様、好きです……」

「……っ」


 甘やかな言葉に思わず身を捩れば、そこには熱を滾らせながら微笑む……サクの優しい瞳があった。


「短い髪の方が……姫様の可愛い顔がよく見れていい」


 そして、その表情が男のものとなる。



「もっと……魅せて下さい、俺だけに。

姫様の可愛い顔を……」



 そしてサクは、横に置いてあった蜂蜜の小瓶を取り出すと、半分残る蜂蜜を、ユウナ首筋から服の中に注ぎ込んだ。


「ひゃ……んっ、サク……なに……」


「……俺からのほんのお礼です。

乱れて下さい、姫様。恥じらいもなくなるほどに」



 自分に跨がらせたまま、サクは静かにユウナを押し倒し、覆い被さるようにして、ユウナの首に舌を這わせた。


「サ、サク……あ、あぁぁん、んんっ」


 肌になすりつけられた蜂蜜は、ユウナの肌をさらに敏感なものとし、熱さと共にびりびりと痺れるような強い快感をもたらしていった。

 理性を曇らすほどの――。




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