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吼える月
第17章 船上2
 

「ああ、ここにも蜜がついちゃってますね。ちゃんとくまなく蜜をとりましょう。ん……沢山の蜜で甘さが強烈だ」


 そしてサクは、尖った頂きに吸い付き、反対の頂きを親指と人差し指の腹で、くりくりと捏ねた。


「あ、ぁぁああああっ、サク、サク……っ」


 欲しかった快感が、強い刺激となって集中的に襲ってくる。


「はぁ……ああ、サク、ああ……サク……っ」


 甘えるようなせがむようなユウナの声。

 サクはわざと音をたてて吸い、舌先で転がした。


「あぁぁんっ、サク……おかしく、なりそう……っ」

「いいですよ、おかしくなって。姫様は……ここがお好きですよね……?」


 赤く充血して堅く震えるふたつの蕾は、交互に……卑猥な動きをする舌で根元からくにくにと捏ね回され、唇で摘み取られ。

 時折潰されるまでに力を入れられたり、ひっぱられたり……そんな強い愛撫ですら、ユウナは泣きながら悩ましげな声を上げて悦んだ。


「可愛い……。俺の舌と指で……こんなになるなんて。俺しか知らない……可愛い姫様の姿、ああ……っ」


 歓喜に震えるサクは、さらに愛情込めて念入りに口淫らと手淫を施す。


「ああ……んんっ、サク、サク、へんになるっ。あ……ああ、サク……っ」


 ユウナの拡げられたままの足が、


「気持ち……いいの――っ」


 もどかしげにサクの足に絡んでくる。



「俺も……可愛い姫様の姿に、おかしくなりそうです」


 サクは僅かに目を細め、上擦った声を響かせた。


 蜂蜜は、滑らかな肌の潤滑剤となり、ユウナの感度をあげただけではなく……、それを舌先と指で堪能するサクの気も昂ぶらせていた。

 欲と理性の葛藤を抱えながら、それでも愛しい姫が嫌がらずに、自分の"男"に触れてくれたから――。

 その幸せだけでユウナを愛していったものの、可愛く喘ぎながら、背中に回された手にぎゅうと力を込められて、身体全体で気持ちいいと訴えられれば、サクの理性も崩壊寸前だった。


 それでも――。


 自分がユウナを愛したい気持ちが勝った。

 ユウナが望むことをしてやりたかった。


「姫様……望むことを言って下さい。俺……っ、何でもしますから。姫様がして欲しいこと、なんでもさせて下さい」


 ユウナから返ったのは――。
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