この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第21章 信愛
 

 怪訝顔のサクの足に、ちょんちょんとなにかが触る。

 見れば白いふさふさ尻尾だ。


『はよ、我の"祝い"を堪能せぬか。このままだと姫は辛いだけ、それに時は待たぬぞ。それとも小僧、この状態の姫をおいて出かけるか?』


 サクはパチパチと数度瞬きした。

 そして、行き着いた結論――。


「イタ公、まさか……姫様になにかしてたんじゃ?」


 寝台の下から、今度はぬぅっとイタチが顔を出す。

 もぐもぐと動く口からは、細長いネズミの尻尾がはみ出ていて、思わずサクは顔を顰めた。

 そしてネズミの尻尾がちゅるりとイタチに吸い込まれる。

 満足げな表情で食事を終えたイタチは、なにか得意げな顔で言った。


『姫は儀式により、契約の牙を通して小僧と同調を始めつつあるが、我の力に慣れてはおらぬ。その不安定な状態では、小僧が遠隔的に姫を護り難いだろうゆえ、多少は荒技ではあるが先に慣らそうと、姫の体の経孔に、我の力を少々強く巡らせてみたまで』


 説明が長いし、回りくどい。


「つまり、姫様はどんな状態なんだ?」


 ユウナは俯きながら、ひたすら我慢我慢と唱えながら、足をもじもじ擦り合わせている。


『身体が熱を持ち、少々の刺激にも過敏に反応する。しかも小僧による"消化不良"が祟って募った状態だ。端的に言えば……』


 そのユウナの姿は、まるで――。


『"発情"』

「は?」


『同調している、小僧と同じ状態だ』



 サクが思った通りの変化が、ユウナを襲っているらしい。
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ