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第21章 信愛

　


　どうしよう……。

　身体が熱く、疼いてたまらない。
　

　ユウナは俯き加減のまま、もじもじと身体を揺らし続ける。

　揺らせば服地に疼く肌が擦れて、幾分かは肌のざわめきが治まるからだった。だが肌の深層にある情欲のうねりは消えない。


　なんでこうなってしまったのか。


　ユウナは自分のはしたなさに泣きたくなっていた。



　純粋に儀式によってサクと繋がれた感動に身を震わせて身体を熱くさせていたのに、今身を震わせているのは、サクに包まれたいという邪なる思い。

　精神性だけではなく、肉体ももっとサクと溶け合いたい――。

　その渇望が止らず、身体が疼いてたまらないのだ。

　媚薬の蜜を舐めた時のように、サクに触れられたくてたまらなくなってしまったのだ。


　だからサクにどうにかして貰いたくて、だけどなんと言えばいいのかわからない。言葉が出て来ない。

　とにかく言葉を考えるよりわかって貰えるように行動しようと、……横にさえきてくれたら、ふらついたふりでもしようかとか、膝枕と称してサクの膝に抱きつこうかとか、とにかくそういう戯れにもっていけるきっかけを願って、勇気を振り絞って誘ってみたのだったが。

　神聖なる儀式を経た武神将は、今までのような関係ではないと諭されユウナは途方に暮れていたのだった。

　
　そうだ。どう考えてもサクが正しい。

　これは主としての試練、武神将に抱いてはいけない邪な肉欲。


　我慢我慢我慢……。


　だが、そう思えば思うほど、身体の火照りは止らず、さらに疼いてきて。とかく胸の頂きや足の付け根がじんじんしてきて、たまらない。


　よりによってなんでそんなはしたない場所が疼くのかと、気が滅入る心地になりながらも、サクに触れて貰えないとわかっただけで、反抗のように身体はひとり勝手に昂ぶり始めるのだ。


　禁じようとすればするほど、サクによってなされた愛撫が脳裏に再現され、サクに触れられた時の妄想ばかりが逞しく育ち、じんじんする部分がますます切なく疼く。