この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第21章 信愛
 
 
「平然と、余裕そうに見えるのに」

「男の矜持です。だけど俺、心は隠せませんから」

「このどくどくいう部分が、サクの"心"?」

「はい。姫様に触れられただけで、飛び上がって喜ぶんです。昔も今も、これからも……。どくどく動いている限り、俺の心は姫様のものです」


「あたしの……もの……」


 ユウナはうっとりとした表情で、またサクの胸に唇を寄せた。

 どくどくと、忙しいまでの激情を告げるその場所に。


「サクは……あたしのもの……」


 確かめるように、ユウナの指先もサクの肌を這う。



「……っ」


 サクが身体が、ひくりと動いた。

 ユウナはそれを感じながら、自分が彼になされたように、唇だけではなく舌を這わせてちゅっちゅと肌を吸い上げ、そして指先の戯れを無意識ながらも確りとした愛撫の律動にし、どう? と言わんばかりにうっとりとした顔でサクを見つめた。

 そんな彼女に返されるのは、とろとろにとろけたような熱く潤んだ瞳。

 従順であろうとユウナになされるがままの態度とは裏腹に、瞳の奥に見えるのは滾るような、周りを焼き尽くしそうな欲情の炎。

 その炎はサクの意志によって表に出ることはなかったが、それを見いだしたユウナの欲は否が応でも煽られ、サクの身体に触れて愛でる行為がやめられなくなった。もっとを望んでしまった。


 サクの身体など昔からよく見て来た。

 一緒に風呂に入ったこともある仲だというのに、サクが自分より背が高くなり、肩幅も広くなり始めた頃から、ユウナは異性であることを意識した。

 それでもサクが、姫様姫様と懐いてくるから。

 なにも変わらず笑顔を見せてくるから。


 だから自分は勘違いしたのだ。


 サクは異性でありながらも、同性のような希有な存在なのだと。

/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ