この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第23章 分離
 


「リュカ、とは玄武の新祠官の名前か?」



 割り込んで来たのはシバの声。



「この男がリュカなのか!?」


「わから、ない……。リュカの顔なの。だけど色が違う。色が……」


「染めているのなら、お前がした方法でやって見ればいいだろう」



 ギルが飲みかけていたらしい、酒の入ったグラスを男の髪に落としていく。そしてギルに目で指示されたイルヒが、酒にまみれたその長い黒髪を、手で擦り合わせるようにして揉み込めば。




「変わらない……!?」



 髪の色は、銀には変わらなかった。


 つまり、この髪の色は天然の色だということ。



「どういうこと……? なんでリュカと同じ顔が……」



 狼狽えたユウナに、シバは言った。



「どういうことだと聞きたいのはこっちの方だ。"光輝く者"のリュカとやらがなんでこの男と同じ顔をしているんだ?



この男は、光輝く者を追いつめた"遮煌"の指揮者の皇主――

……の三男、スンユ、だぞ?」



 ユウナの思考は、シバの言葉を解せなかった。

 ただわかることは、リュカと瓜二つの顔をした、色だけ違うこの男は、リュカではないということ――。


 リュカには兄弟姉妹はいないと昔言っていた。

 それすら偽りだったのだろうか。

 それとも、リュカに酷似しただけのただの他人――?


 皇主の三男とリュカが、偶然同じ顔をしてたと、ただそれだけの話なのだろうか。
/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ