この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
吼える月
第24章 残像
 

「違う……」


 テオンは、涙が零れた目を手で拭い、そして笑った。


「親も見捨てる僕を、優しいなってお兄さん。やっぱりお兄さんは、慈愛深い神獣に愛された武神将なんだね。武神将っていうのは、そうやって人を助けてくれるものなんだなって思って」

「……おう。だから早くこの国の武神将を、なんとかしようぜ。俺が知るジウ殿は、そんな奴じゃねぇからな。俺がなんとかしてやる」

「なんだかさ、お兄さんなら……あの恐い顔のジウをなんとかできそうな気がしてきた。最初はどう見ても、迫力負けしてると思ったけど。なんだかお兄さんツメ弱そうだし、ジウが凄んで必殺技でも繰り出したら、もうそれだけで怯んで負けちゃう……」

「昔の俺は俺じゃねぇ。ああ、独り言だ」


 そしてサクが再びテオンを肩に乗せた。


「お兄さん、僕ちゃんと歩ける……」

「恐いんだろう? その代わりしっかり監視してろ。俺はしっかり歩く」

「わかったよ。体力だけの取り柄のお兄さんはこれで本領発揮できるしね」

「……お前、ここから落とすか、ああ!?」

「冗談だよ、じょうだ……」


 かちゃり。



 それは突然のこと。

 あまりに不可解な機械音が、ふたりしかいないはずの屋敷に響いた。

/1627ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ