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セメラレ
第1章 教師兄と変態妹
「──って感じで〜、も〜先生ってば聞いてる〜?」
「お、おお。聞いてるぞ?」
「も〜、ボーっとしないでよね〜」
「は、はは……すまんすまん」
休み時間。生徒に囲まれながら廊下を歩いている。
女学院に通う生徒たちにとっては俺のような若い男が珍しいのか、よくこうして話しかけてくれていた。
それは、嬉しいことなのだけれど……。
(相手が生徒だとはいえ……女の子とどんな話をすればいいのか、わからないだよな……)
恥ずかしながら、俺は“とある事情”から女性に慣れていない。
正直、こうして受け答えするだけでテンパっていた。
「──なの? すごいね〜」
「だよね〜? だから日曜とかヒマで……あ、綾乃ちゃんだ」
「えっ……!?」
生徒の呟きに反応して、そちらに視線を向ける。
廊下の先、見慣れた立ち姿を確認。
佐藤綾乃──俺の妹で、この学園の生徒だ。
「うわっ。綾乃ちゃん、デブリンに絡まれてる〜」
「デブリンを相手に笑顔をキープとか、ほんといい子だね〜」
「……っ」
デブリンと呼ばれた中年教員と綾乃を、緊張しながら見守る。
会話は聞こえてこないけど、いったい何を──あっ!?
「うわっ! デブリン、綾乃ちゃんの頭撫でた!」
「あいつ、いい加減セクハラで訴えた方がよくない?」
「ね、先生もそう思うよね?」
「あ、ああ……」
小声で盛り上がる女生徒たちに、空返事を返す。
普段ならばデブリンなんて呼び方を注意するところだけど、今はそれどころじゃなかった。
「ぐふっ。佐藤くんは本当にいい子だねえ」
「あ、あはは……先生、恥ずかしいです……」
先ほどより距離が近づき、綾乃の照れた声が聞こえてくる。
「……っ」
その微笑みを見ていると、ドクドクと心臓が高なっていく。
いつの間にか握りしめていた両手には汗が滲み、喉はカラカラ。
無意識に足を止めて、その可愛らしい笑顔に見入ってしまう。
そう、俺は妹である綾乃に──。
──恐怖していた。
「お、おお。聞いてるぞ?」
「も〜、ボーっとしないでよね〜」
「は、はは……すまんすまん」
休み時間。生徒に囲まれながら廊下を歩いている。
女学院に通う生徒たちにとっては俺のような若い男が珍しいのか、よくこうして話しかけてくれていた。
それは、嬉しいことなのだけれど……。
(相手が生徒だとはいえ……女の子とどんな話をすればいいのか、わからないだよな……)
恥ずかしながら、俺は“とある事情”から女性に慣れていない。
正直、こうして受け答えするだけでテンパっていた。
「──なの? すごいね〜」
「だよね〜? だから日曜とかヒマで……あ、綾乃ちゃんだ」
「えっ……!?」
生徒の呟きに反応して、そちらに視線を向ける。
廊下の先、見慣れた立ち姿を確認。
佐藤綾乃──俺の妹で、この学園の生徒だ。
「うわっ。綾乃ちゃん、デブリンに絡まれてる〜」
「デブリンを相手に笑顔をキープとか、ほんといい子だね〜」
「……っ」
デブリンと呼ばれた中年教員と綾乃を、緊張しながら見守る。
会話は聞こえてこないけど、いったい何を──あっ!?
「うわっ! デブリン、綾乃ちゃんの頭撫でた!」
「あいつ、いい加減セクハラで訴えた方がよくない?」
「ね、先生もそう思うよね?」
「あ、ああ……」
小声で盛り上がる女生徒たちに、空返事を返す。
普段ならばデブリンなんて呼び方を注意するところだけど、今はそれどころじゃなかった。
「ぐふっ。佐藤くんは本当にいい子だねえ」
「あ、あはは……先生、恥ずかしいです……」
先ほどより距離が近づき、綾乃の照れた声が聞こえてくる。
「……っ」
その微笑みを見ていると、ドクドクと心臓が高なっていく。
いつの間にか握りしめていた両手には汗が滲み、喉はカラカラ。
無意識に足を止めて、その可愛らしい笑顔に見入ってしまう。
そう、俺は妹である綾乃に──。
──恐怖していた。