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甘く、深く、繋がって
第12章 軋む心
斎藤さんとのお泊まりから帰って以来、私はずっとふわふわ夢見心地。仕事ももちろん絶好調。
早速千佳ちゃんに連絡して、クリスマスディナーに一緒に行ってもらう事にした。
千佳ちゃんは高校の同級生。大学も一緒。中学生の時から雑誌のモデルをしてて、華やかな世界にいる。大学一年の時一緒に住んでたけど、今年になって会うのは春に郊外の公園へお花見に行って以来。
斎藤さんの事話したらこんなに直前なのに色々都合付けてくれたみたいで、すごく嬉しい。
早く来週にならないかなぁ……
『可愛い格好しておいで』って言ってくれたし、何着て行こう……

そんな事を考えながら、個室を出る。
洗面所は甘い香水の香りがして、先客が一人メイクを直していた。スラッとした後ろ姿。
鏡に映る長い睫毛と少し目尻の上がった切れ長の瞳。すごく、色っぽい。
艶やかな黒髪をラインストーンの煌めくバレッタでハーフアップに留めている。

綺麗な人……

隣にならんで見つめていたら、鏡越しに視線が絡まった。

わっ

咄嗟に笑顔で会釈して手を洗い始めたけど、その人はじっと私を見つめてて
「ねぇ、あなた……先週拓真と一緒にパークに居なかった?」
硬い声で話し掛けてきた。

……えっ?
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