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甘く、深く、繋がって
第14章 疑心暗鬼
悟られたくない……

背伸びして、額にそっとキスをした。
「真純……」
足を床に下ろしたところを抱き締められる。
「愛してる」
耳元で響く少し低めのテノールに胸をギュッと掴まれた。
鼻の奥がツーンとする。
斎藤さんの首に回していた腕に力を込める。声を出すと震えてしまうのは明らかで、黙ったままでコクンと頷いた。
斎藤さんにまた強く抱き締められる。
「はぁ」
耳に掛かった熱い吐息。ヒクンと中が呼応する。
「……離したくない」
言ってハクリと左の耳朶を食された。
「あっ……ん」
ゾワッと震え、肩が竦む。
熱い口の中、柔らかい舌に水音をたてながら捏ねられて、身体に力が入る。収まりかけていた奥がまた熱を帯び、じわりと潤みだす。

あぁ……だ、め……

「ま、すみ」
耳に吹き掛けるように囁かれて身体が震えた。
斎藤さんの腕に力がこもる。耳の後ろを舐めた後、強く吸い上げられてチリッと痛みが走った。

……跡付けた、の?

「全っ然足りない」
はぁとまた熱い息を吐く。
「真純とこのまま帰りたい」
呟かれた言葉が叶う事はない。
そっと腕を解き、チュッとリップ音をたててキスされた。
「俺行くわ」
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