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第14章 疑心暗鬼

今やっかいな奴に絡まれてる。真純に危害が加わるといけないから、一人になるマンションには帰らず、実家か姉の家から通勤して欲しい。俺が送り迎えするべきだが、巻き込みかねないからそれは出来ない。危ないから車で迎えに行けた時か、人目のある店以外では会えない。店にも一人では来ない方が良い。

そう話した俺に、真純は何も聞き返して来なかった。
揺れる瞳で俺を見上げ
『斎藤さんも気を付けて下さい』
そう、言った。
何かを堪えるような眼差しに、みゆきが接触してる事を確信する。でも誰か接触して来ていないか、何もないかと何度聞いても『大丈夫』と首を振られると、俺から言う事は出来なくて

あの女……
警告はした、だろう？
許さない

腹の中が怒りで煮え返る。絶対に排除する。

ごめん、真純
辛い思いさせて
そいつと俺は、今は何もない
何もないんだ
昔の俺の、ミス
真純には関係ない

これ以上の関わりは許さない
ちゃんと片、付けるから

……抱え込むなよ
俺は疑われて仕方ない
真純は怒って良い
俺に、何を言っても良いんだ
何を言われても、全部聞く
必要なら説明も必ずする
思う事があるなら俺にぶつけろ

頼むから、一人で泣くな