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甘く、深く、繋がって
第16章 過ぎ去らざる戒め
思い詰めた様に見える沈んだ泣き顔。
どうしてそう感じるのかは分からない。足下が崩れ落ちそうな、嫌な感覚に胸が騒つく。

手提げを抱え込むようにして隣に座る真純。タオルに顔を埋めて俯く小さい頭に手を乗せた。
触れていないと消えてしまいそうな気がするのは考え過ぎか?

ぽんぽんと軽く叩くと押さえ込んだ嗚咽が聞こえ始めた。真純の柔らかな髪をくしゃりと乱す。
言い様のない不安を一先(ひとま)ず振り切る。ギアに手を掛けクラッチを浮かせながらアクセルを踏み込んだ。
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