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甘く、深く、繋がって
第21章 伝わる心
ふぅっと意識が浮上する。すぐ近くに感じる温もりに知らず擦り寄って、はたと気付いて顔が熱くなった。

私、泣きながら寝ちゃってた……

腫れぼったい目蓋をゆっくり開き、目に入ってきたのは斎藤さんの喉仏。その近さに離れようとして、長い手足にがっしり阻まれた。
「は、よ……」
寝起きの掠れた声。トクンと心臓が跳ねた。まとわりつく腕が私の体を抱き寄せる。
「なんじ?」
問われて時計を見上げようにも、しっかりとロックされて叶わない。
「わ、分かりません」
「……あぁ、ごめんね」
小さく謝って斎藤さんが腕の力を緩めてくれた。上体を起こして頭上にある時計をふり仰ぐ。間接照明に柔く照らされたそれは
「まだ四時半、です」
「よじはん?……ずいぶん早起く起きたね」
伸びてきた腕につかまって、またその中に閉じ込められてしまった。
チュッと額にキスが降ってくる。思わず目を閉じて、開いた時には唇を塞がれていた。何度も軽く啄まれ、次第に深まる交わり。じくりと身体の芯に熱が灯される。
「ん……ふっ」
零れ出たのは甘い吐息。
それを機にグイと身体を返された。
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