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第6章 夢の国

私はセックスが好きじゃない。
別に痛い訳でも気持ちが悪い訳でもない。むしろ……

初体験は高校二年生。彼氏に頼み込まれて関係を持った。
彼もその後付き合った人達も、ちゃんと好き合ってたはずなのに、何故か一度身体を重ねると人が変わってしまう。逢う度にソレばかり。次第に外で逢わなくなり、酷いと食事もそこそこに色んな事をさせらた。
耐えられなくて別れを告げても、離れるギリギリまで続いた交わり。極めつけは、あの事件……

男の人が望む以上の反応を返してしまう私も駄目なんだろうけど……

そう、何よりも嫌いなのは、私自身。

屈辱的な事以外、多少の痛みも倒錯的な行為も、何をされても気持ちが良いと感じてしまう私の身体。
嫌だと思ってるはずのに、もっとぐちゃぐちゃにして欲しいと、卑しくオネダリしてしまう自分。

斎藤さんとソウイウ関係になりたくない。
ちゃんと心で繋がりたい。セックスだけに堕ちたくないの。

……斎藤さんにそんな私、知られたくない。
ハシタナイ女だって呆れられたくない、よ。

ねぇ、斎藤さん。
斎藤さんはセックスしなくても付き合ってくれますか？