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第25章 始まりの夜

頭の隅に冷静な警告を感じながら、重ねる唇を離せない。真純の身体に這わせ始めた手を止められない。
「っすみ……」
「んっ、あ……たっ、くま、さ……」
貪る様な激しいキスにも拘らず、応えて絡む熱い舌。握り返される左手。離した真純の右手が俺の背中に触れてくる。
ゾクリと身体を走る震え。

どんな理由があろうとも、欲のままには抱きたくない。
真純は、大切に抱きたい。

そう思うのに、白い喉に食い付いて。
「あっ……イ、ぃ……」
溢れ落ちてくる声に煽られる。

もっと高く啼かせたい。

「ますみ……」
「った、くま、さっ……んんっ」
名前を呼べば途切れながらも応えてくれる。
可愛くて、愛しくて。

背中に回された真純の手に力が入った。下から刷り寄せられたしなやかな身体。
「もっ、と……」
吐息混じりの囁きに、辛うじて閉められていた箍(たが)が、飛んだ――――