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甘く、深く、繋がって
第7章 失態
「……ス、スミマセン。複雑な案件だとつい黒田さんに回してしまって……キツいですよね」
頭を下げて黒田さんの視線を遮った。

近過ぎて、困る。これ以上下がれないし……どうしよう。

「いや、期待されてるみたいで頑張れる」
明るく言って、ようやく身体を離した黒田さん。残っていたビールを飲み干してフーッと長く息を吐いた。
「河合真純さん」
改まった口調にビクリと肩が竦んだ。恐る恐る顔をあげて、真剣な眼差しに動きを奪われる。
「オレと付き合って下さい」
「ぇ……」

さっきメール彼氏?って……

「今日は返事、聞かせて?」
ふっと柔らかくなった口元と真剣なままの眼差し。
冗談を言ったり、ふざけたりしてるのではないのは明らかで、私の胸は急速に早回りし始めた。
「あ、ぁの……私付き合ってる人居るんです」
「うん……その人の事、好き?」
「はい」
真っ直ぐ目を見て応えると黒田さんがくしゃっと笑った。
「参ったな。……本気、なんだ?」
「……本気、です」
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