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片想いの行方
第1章 2人の蓮
(もー! 遅れちゃう……!)
あたしは職員室を出ると、ダッシュで廊下を走り出した。
長い髪が顔にまとわりついて鬱陶しい。
だけど、そんなの気にしてなんていられない。
階段を目前にして、更にスピードを上げる。
ここを越えたら図書室の入口だ。
「あはは、美和ってば。 必死だね~」
階段を駆け上がる途中、すれ違ったクラスメイトが笑う。
「蓮くん、もう泳ぎ始めてると思うよ~。 急げ~!」
その言葉を聞いて……焦る!
お願い! 間に合って…!!
* * *
南棟の3階。
突き当たりが、学校の図書室。
息も切れ切れになりながら、図書室の扉に手をかける。
勉強している3年生の机の間を、そろ~っとすり抜けたら
一番奥の窓際が、あたしの放課後の特等席。
やっとの思いでたどり着くと、勢いよく窓ガラスを開けた。
ふわっと初夏の風が通り抜ける。
「あぁぁ~~。 やっぱり間に合わなかったー!」
窓の下に広がるプールを見て、あたしはガックリ頭を落とした。
あたしは職員室を出ると、ダッシュで廊下を走り出した。
長い髪が顔にまとわりついて鬱陶しい。
だけど、そんなの気にしてなんていられない。
階段を目前にして、更にスピードを上げる。
ここを越えたら図書室の入口だ。
「あはは、美和ってば。 必死だね~」
階段を駆け上がる途中、すれ違ったクラスメイトが笑う。
「蓮くん、もう泳ぎ始めてると思うよ~。 急げ~!」
その言葉を聞いて……焦る!
お願い! 間に合って…!!
* * *
南棟の3階。
突き当たりが、学校の図書室。
息も切れ切れになりながら、図書室の扉に手をかける。
勉強している3年生の机の間を、そろ~っとすり抜けたら
一番奥の窓際が、あたしの放課後の特等席。
やっとの思いでたどり着くと、勢いよく窓ガラスを開けた。
ふわっと初夏の風が通り抜ける。
「あぁぁ~~。 やっぱり間に合わなかったー!」
窓の下に広がるプールを見て、あたしはガックリ頭を落とした。