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異常性愛
第16章 萎凋


----------二十年前、晩夏。




ガッチャーン!

『なんだと!親に向かって!このガキ!』

『ふざけんな!ついてかなかっただぁ?!』

父子は散らばった食器を間に睨みあった。
ズレ落ちたテーブルの天板が冷めたコロッケを押し潰し、絨毯に具材がはみ出ていた。

『そうだろうが!てめぇ!』

『嘘ついてたの親父だろう!
 別れるなんて聞ぃてねぇよ!』

『んなにぃ!てめ、飯どーすんだ?!
 ひっくり返しやがって!』

『たまに、メシ用意できたからって偉そうにすんじゃねぇ!』

二人は大声で怒鳴り合い、罵りあった。
若い継母は父親を必死で留めようと、父親の出張った腹にしがみついている。
きびすを返し立ち去ろうとする息子に、継母を振り払った父親が殴りかかった。

『待て!このやろう!』

ゴンッ!と鈍い音がして、殴られた息子はタンスに身体を打ち付けた。

『・・ってぇ。』

『てめぇ、顔出せ!ぶん殴ってやる!』

『あなた!やめてっ!』



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