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束縛彼氏 ヒイロ君
第1章 ヒイロ君
22時。
コンビニの夕勤を終えた私を
駐車場で待つ彼。
「ごめーん!ヒイロ君!
最後混んじゃって上がれなかったんだ」
21時頃からお客さんが来はじめて
ちょっとしたラッシュになっていた。
引き継ぎの夜勤の村田君が帰っていいよって
言ってくれたけど混んでるレジを見て
上がろうにも上がれなかった
「おつかれさん。別に気にしなくていいから。」
ヒイロ君はいつもバイト帰りに車で
迎えにきてくれる。
社会人で仕事で疲れてるだろうに
必ず迎えにきてくれるから申し訳ない。
私はまだ大学生だけど22時なんて
別に大丈夫なのに……。
だから
「ヒイロ君。本当にお迎え有り難いけど
毎回悪いし大丈夫だよ?」
って言った途端、
「何?嫌なの?。」
ってちょっと不機嫌気味?!
ヒイロ君とは私が大学生三年の頃から
付き合い始めたから一年はたつ。
大学の企業見学の時に知り合った。
威風堂々とした立ち振舞いは他の
見学者をビビらせたけど私はその姿に惚れた。
今時のイケメンっ!って訳じゃなく
なんかサムライ!って感じのイメージの彼!笑
私とヒイロ君は家は一緒じゃないけど
必ずヒイロ君は私を送り届けてくれる。
「あの!ごめんね?怒ってるよね……?」
不機嫌なヒイロ君の顔は氷のように冷たい。
無言で車を走らせる彼。
バイト先のコンビニから私の家は
車で15分位の距離。
なんだかその15分が気まずいなぁ。
「…………。ミズキ、明日なんか予定あんの?」
ずっと無言だったヒイロ君が突然口を開く。
「えっ?明日は(土)だし何もないよ。」
「なら、このまま俺ん家いくぞ。」
そう言っていつも曲がる交差点を直進していく。
「……。ヒイロ君?あっ、あの!」
やばい!このパターンはきっとあれだ。
やがて車はマンションについて
地下の駐車場へと進む。