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束縛彼氏 ヒイロ君
第4章 真田さん。

暖簾をくぐると間接照明のみの
ちょっと粋な居酒屋。



「らっしゃーい。お?ヒイロ!」


前髪をワックスで上げてオールバックが
昔からのトレードマーク、真田仁 「さなだじん」




「よぉ。久しぶりだな。儲かってるか?」



中をチラッと見渡すとそこそこ客がいた。



「まぁ、閑古鳥が鳴かない程度かな。
やぁ。ミズキちゃん、こんばんわ。」



「あっ、お久しぶりです。」


ミズキのやろー、かしこまってるし。
まぁ、それもそうか。仁と会うの
数える位だもんな。



それから俺たちはカウンター席に座って
他愛のない話をした。


同じ部署だったし、けっこう気を許せる
関係だったから話は尽きない。






しかし、

俺は話に夢中になりすぎた。









ふっとミズキをみるとなんと
ミズキの隣に男が座ってる!!!


いつから居たのか分からないけど
二人でお酒を呑んでやがる。




ガタッ!!!!




「ん?ヒイロどした?」

真田が突然立ち上がるヒイロに驚いた。


「おい、お前。俺のミズキと何
話してやがる。」



あっちゃー、ミズキちゃんの隣にお客さん
座っちゃったのかぁ。
しかも男ときたもんだ。


これは揉めるな。


真田はヒイロの性格上我慢出来ないことを
知っている。





「あっ、これはあなたさまの連れでしたか。
これは失敬。」



ミズキの隣に座る紳士は言葉こそ
丁寧だが顔は笑いをこらえてる。


「あっ、ヒイロ君!ごめん、私が…」



「うるさい。お前には後でたっぷり説教
してやる。



うぅ…怖いよ。ヒイロ君。
それに説教っていっても言葉じゃないじゃん。


「いいか、貴様。ミズキは俺の女だ。
勝手に近づく事、勝手に話し掛けること、
勝手に見ること、全て禁止だ!」





ヒイロのヤツ、相当怒ってるなぁ



真田は他人事のように見守る。











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