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妄想短編
第2章 泣いてもいいですか?
そして、数日後。

「安田!ちょっといいか?」

そう言いながら同僚の男が煙草を吹かすジェスチャーをする。

「え?あぁ、別にいいけど」

机に広げた書類を軽く片付け
喫煙所に向かった

「仕事中に悪かったな」

ニヤニヤしながらそんな事を言われても
悪気が無いようには見えない

「んで?なんかあった?」

煙草に火を着けながら
ニヤニヤ顔を睨む

「上司にはまだ報告してないだけど…
俺さあ!彼女と結婚するんだ♪」

「へぇーそうなんだ、おめでとう」

「おいおい!冷てー奴だな!
まあいいや!昨日な-」

素っ気ない俺の返事に不満げになりながらも
話を進める同僚

そんな同僚の話を聞かずに窓の外の風景を眺める

-あぁ今日もいい天気だ-

そんな事を考えていると目の前に携帯の画面が現れた

「可愛いだろ?俺の嫁さんになるんだぜ」

その画面に映った女性を見て心臓が一瞬止まる

-和美………-

そう、俺の心をズタズタに切り裂いて
高笑いしながら去っていった女だった

そこから先は記憶が途切れている

気づくと休憩室のベットで眠っていた。

頭痛に耐えながら自分のデスクへ戻るとあの同僚が現れる

「お前、いきなり固まって動かなくなるからすんげー焦った!大丈夫か?なんか悩み事があるなら聞くぞ?」だそうだ…

まさか、同僚が和美の本命だったとは…神様…俺、なんか悪い事しましたか?






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