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第81章 ばたばた観光
目の前の崖一面に鮮やかな色合いのカラフルな街が広がっている。

まるで絵本の中に紛れ込んだようなその街並みを、揺れるボートの上で眺める。

「すっごい...」

日本の映画の舞台にもなったその街並みを目の前にして、そんな陳腐な感想しか出て来ない。

後ろから稜を抱きしめるようにして座っていた羚汰が、くっくっくっと笑っている。

「稜、どうしたの?なんだか今日は元気がないね?」

すこぶる楽しそうに羚汰がつないだ手に力を入れてくる。

誰のせいだと!!

この船には日本語がわかる人はきっと乗ってない。
だけど、その言葉を発するのを躊躇われて、軽く羚汰を睨む。

昨日は散々焦らし攻められ何度もイかされ、声が枯れるほど啼かされて。

久しぶりに体が重だるい。
こんなになるまでセックスをしたのは、久しぶりだ。

それなのに、船が早く出るとかで。
美味しそうなホテルの朝食もそこそこに、大慌てて荷物を用意して船に乗り込んだ。

昨夜羚汰が、明日は朝早く船に乗ると言っていたが、てっきり冗談だと思っていたのだ。
本土に帰る船は沢山あるのだからー。

ところが、羚汰が言っていたのは、いわばホテルのツアー観光船で。
泊まった島をぐるりと外から案内し、有名な綺麗な洞窟にも、そしてこの有名な崖のある地域にも遊覧する船のことだった。

輝く海の光と、鮮やかな色彩で彩られた景色を見る度に最初はなんとか高いテンションを保っていた稜も、寝不足と疲れと、そして高い波に煽られる小さな船の揺れに、次第に大人しくなっていった。

何か言い返してやろうか、と考えていると唇が軽く触れる。

「っ!」

「昨日の事思い出してた?」

耳元でくすぐるように囁く声が、稜の体に響く。

羚汰は、簡単に稜の体を熱くするコツを知り尽くしている。

「違うもん!」

本当はこのいつものポジションからも逃れたいのだが、力が入らず逃げられない。
羚汰の吐く息が首すじにかかって、身をよじらせてしまう。

「俺は思い出してたよ...。すげーエロくて、可愛かった」

「羚汰っ、だめだって。こんな場所でっ」

そのまま首すじに舌を這わせる羚汰を、力が入らない手でなんとか遮ろうとする。

「大丈夫。みんなヤってる」

そんなわけないじゃん!

と思って見渡すと、船に乗り込んだ他の3組のカップルが、同じようにいちゃいちゃしていた。
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