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第3章 遭遇2
日曜日の朝。

稜は、マンションに戻ってきていた。

実家に一晩泊まったものの、
両親からの「結婚はしないのか」「見合いはしないか」攻撃にへとへとになってしまったからである。

4歳年下の弟が大学のあった他県で就職し、そこで出会った彼女と2年前にとっとと結婚してしまった。
向こうは女の子姉妹の長女で、なんだか婿にでも出したみたいになって、最近はすっかり音沙汰もない。
はじめは、何年かすればこちらに戻って来ると信じていたようだが、諦めたのかもしれない。

そうなってくると、両親の矛先は30歳になって結婚する気配もなく、彼氏の一人でも連れ帰るでもない稜に向けられるー。

そんな両親の気持ちはわからないでもナイが、実家に帰るたびにあれでは、おのずと足も遠くなる。

以前は、雑種犬のカイがいたので、カイに会いによく帰っていた。だが、今年の梅雨のころに、寿命で亡くなってしまった。

あの家にカイの気配がないのも、居づらくさせている要因の一つだろう。

ぐっすり眠れるかと思って実家に帰ったのに、
気疲れであまり寝付けなかった。
それで、朝早く家を出てマンションに戻ってきたのである。

部屋に戻るのも気が進まなかったが、仕方ない。

稜は、重い足取りで進み、一階にある集合郵便受けを開けた。
ダイレクトメールやらと一緒に、ネット注文していたCDが届いているのを見つける。

途端にテンションがあがる。
おそらく好きなバンドの特典付きCDだ。
最近は、アイドルに限らず各方面で限定の特典があったりして、CDを売り込もうと必死だ。
稜は、まんまとその罠にかかっている。

確か特典は、ネット限定のバンドタオル。
袋の上からCDにはない厚みと柔らかさを感じ益々顔がにやける。

「あ〜!稜さんだ〜!!」

マンションのエレベーターから降りてきた人物が、稜に声を掛ける。

まさか昨日の今日で会うとは思わなかった、リョウである。しかも、稜の嫌いな“さん”付けでー。

稜は、先程の笑顔と一緒に固まってしまった。

「おはようー!」

リョウは、ボサボサの頭に黒縁メガネをかけて、ジャージにTシャツと思いっきりラフな出で立ちだ。
それでも、爽やかな笑顔が稜の胸に突き刺さる。
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