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第52章 旅行 〜中編〜
少し前のめりになっていた体が、指の出し入れによって上へと伸び上がる。

「はぁっ...あっ、んふぅ...」

「すっげーアツくてとろとろ。ヤバイね、稜のココ」

その言葉とナカで蠢く手によって、稜は体をくねらせ吐く吐息が喘ぎ声に変わってゆく。

「んふっ...んはぁ、ああっ」

後ろに手を伸ばすようにしていた稜が、体をひねるようにして羚汰の首に腕を回す。

半身ほど振り返ると、羚汰と舌を交わし、激しく口付けてゆく。

「んふっ...ふぁんっ...」

「ん...」

羚汰の舌が口内を駆け回り、そのまま首すじから胸の方へと降りてゆく。

胸の先に舌が到達し、先を円を描くように舐め回してから、口に含む。

散々胸を舐め回し、もう片方の胸先に移動し同じように口に含んだ途端、ふいに動きが止まる。
ナカで蠢いていた指も止まって、ストップモーションだ。

「...なんか気持ち悪っ」

何のことかわからず、稜は荒い息を繰り返しながら疑問に思っていると、羚汰の指が音を立てて抜かれ、同時に眉間に軽くシワの入った顔が起き上がってくる。

「ふえっ?」

「このボディソープなんか、変な味がする...」

羚汰が苦笑いしながら、稜を抱きかかえた体をぐるりと回転し、シャワーを出して口をすすぎ、それから2人の体に残っていた泡を落としてゆく。
あんなにもこもこしていた泡は、ほとんどなくなっていたものの、体はぬめぬめしている。

変な味って、この事か...。

そう理解するのに時間がかかる。

確かに、フローラル系の甘ったるい香りが結構強烈に香る。

羚汰の手が、稜の肌の上を優しく移動し、ボディソープを落としてゆく。

稜も手を伸ばして、向かい合って羚汰の胸や腕を撫でてゆく。

「苦かった?」

「んー。苦いっていうか、なんか説明出来ない変な味。舐めるもんじゃないね。途中までは我慢してたんだけど、口の中がどんどん変なカンジなってきちゃってさー」

まだ口をすすいでいる。
よっぽど気持ち悪かったのだろう。

「稜は?大丈夫?」

そう言われてみれば口の中がちょっと変な味がするかも。
今まで全然気がつかなかった。

稜も顔をシャワーに近づけて、羚汰のように口をすすぐ。

「ん、もう大丈夫」

そう言って振り返ると、羚汰の手が伸びてシャワーが止められ、引き寄せられる。
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