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第13章 雨

「今のは奈緒姫が悪いよ」

自分のしたことを棚に上げて言う。

濡れた鞄を差し出すが、奈緒姫はなかなか受け取ってくれない。

傘から出てしまった体が雨に侵食されていく。
制服のブラウスが透けて、キャミソールとブラジャーのヒモが見える。

ああ、触りたい。

お互いに黙ったまま駅へ向かう。
ここから奈緒姫は歩いて家へ、俺は電車だ。

傘を閉じると、奈緒姫がくしゃみをした。
体が冷えてしまったらしい。