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第13章 雨

まぁ心配にもなるよな、こんなに可愛い妹がいたら。
ズキズキと胸が痛む。

「じゃーね」

改札をくぐって振り返ると、奈緒姫は口をパクパクさせていた。

「さ、さよなら。あ、あまね、くん……」

喧騒の中、小さく口が動くのが見えた。

あれ、今、下の名前で呼んだよな？

そう思った時には、奈緒姫の姿は見えなくなってしまった。