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第18章 ディープ

特別棟は人気がない。
蝉の声も遠くなったような気がする。

べとつく空気の中を泳ぐように進むと、生徒会室の表札が見えた。

緊張する。
上級生の周くんの教室に行くより胸がバクバクしてるかも。

コンコン、と控えめにノックすると、中から声が聞こえてきた。

「はーい！」

周くんの声だ。

ガラガラと扉が開いて、周くんが出てきた。

「奈緒姫、もう用事終わったの？」