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第19章 花火

今は奈緒姫が隣にいる。
浴衣姿も可愛いし、幸せだ。

奈緒姫は履き慣れない下駄のせいか、ちょこちょこ小股で必死についてくる。

もっとゆっくり歩いてあげよう。
この人混みだし、はぐれたら困る。

手、繋いだら駄目かな。

俺がそろりと腕を伸ばすと、和樹さんが割り込んできた。

「縁切りちょーっぷ！！」

そう言って俺の腕を一刀両断。
……本当にこの人は。

奈緒姫は何が起こったかわからず、きょとんとしている。
まぁいいや、お兄さんたちがいるのにイチャイチャしようとした俺が悪い。