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第23章 二学期

「三村さん、悪いんだけど――」

断ろうとした瞬間、相手が抱きついてきた。

が、俺もとっさに手を出した。
相手のおでこを押さえて、それ以上は近づかせない。
奈緒姫以外の女に触る気はない。

「何やってんの？」

冷めた目で言うと、三村さんは涙ぐんだ。

「断るなら、キスくらいしてよ」

奈緒姫の涙目はあんなに可愛いのに、今目の前にいる相手には全くときめかない。

ああ、俺、本当に奈緒姫のことが好きなんだな。