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第25章 後夜祭

しつこく響くコール音。

そろそろ諦めようかと思った時、奈緒姫が出た。

「あっ！　奈緒姫？　良かった。ケータイ忘れたのかと思った」

『……周くん？』

小さく返ってきた声は、少し湿っている気がした。
ぞわ、と空気が止まる。

奈緒姫、もしかして、泣いてる――？

「……どうしたの？　何かあった？」

『……』

沈黙が痛々しい。

「今、どこにいるの？」

『……特別棟の、階段の、一番上』

聞いた瞬間、俺は走りだしていた。