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第5章 お買い物

「そいえば、大野さんちの綾希くんがね、この前あんたに会ったって言ってたわ」

母親の顔はうっすらと上気している。

「あー、うちの学校に奈緒姫が入ってきたんだよ。一番下の妹の。あそこ仲いいよね。兄弟そろって入学式にきてた」

さっきまで奈緒姫と二人だったことは絶対に言わない。
言ったらこの母親のこと、おもしろおかしくいじってくるに違いない。

「奈緒姫ちゃんねぇ、可愛かったわねぇ。幼稚園の頃には周と結婚するんだって言って」

「えっ？　何それ！？」