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第32章 噛み痕

周くんの部屋には荷造り中のボストンバックが置かれていた。

私も同じ学年だったらよかったな。
そしたら修学旅行も一緒に行けたのに。

「どこ行くの？」

「奈良、京都、大阪。定番だよ」

「ふーん」

三日間、離ればなれかぁ。
今だって毎日会ってるわけじゃないけど、遠いところにいると思うと急に寂しくなるのはなぜだろう。

そういえば、同じクラスには周くんに告白してきた人もいるんだった。
周くん、あの人と三日間一緒かぁ。