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第33章 コスプレ

「あの、着方がわかんないんですけど……」

当たり前だけど、普段着ている服とは全然違う。

今日やるコスプレは歴史物で、キャラクターたちの衣装は何ちゃって和服だ。
ベースは着物だが、だいぶ着崩しているうえに、訳のわからない飾りがたくさんある。

「ここが右腕。こっちが下で、このパーツは後から。これ安全ピンだからひっかけるなよ」

「は、はい……」

佐和紀さんは言葉はぶっきらぼうだが、基本的に面倒見は良いのかもしれない。
今日だって、何もわかっていない俺の分まで、全部準備してきてくれたし。
やっぱりお兄さんだからなのだろうか。